
我ながらすごいタイトルつけたもんです。まあ、本当に広告関係の仕事は残業・徹夜が当たり前ですよね。
僕の労働時間はまだいいほうで、朝9時30分から夜はだいたい21時ぐらいまで。たまに遅くなるといっても23時くらい。終電で帰れるくらいです。
第一と第三土曜も休みで、日曜・祝日も休み。この業界の中では、まだいいほうじゃないかと思っています。というより、なんとか頑張ってマシな環境にしました。
一年前までは毎日23時ぐらいまで平気で働いて、土曜も毎週出勤、たまに日曜も出勤という日々でした。徹夜こそあまりしませんでしたが、毎日14時間ぐらい働いて、日中の眠気と戦いながら、ぐったりした状態で仕事をしても効率が悪いなと思ったので自ら改善しました。
それと、自分の副業の方にも力をいれたいので、今はなるべく残業を減らして、休みもしっかりとるようにしています。まあ、会社が休みの時は副業を頑張っているのですが(笑)
『デザイナーは長時間労働が当たり前』という固定観念について
この仕事をしていると『世間一般の定時で帰れるようなサラリーマン』の人と話していると、自分の間隔がずれているんだなと思うことが多々あります。「いつも何時ぐらいまで働いているの?遅いんでしょ?」と聞かれて、「いえいえ最近は早いんですよ。21時ぐらいには帰れるんです」というと、たいていの人が驚きます。
「あ〜そうか。自分としては21時に帰れば早いほうだけど、一般のサラリーマンからすると十分残業して遅い時間なんだよな」と思います。長くこの仕事をしていると、そういう時間の間隔が麻痺しますね。
周りのデザイナーさんも同じような感覚だし、もっと酷い労働環境のデザイナーもいるので『まだ俺はいいほうだな』とか思ったり、ずっとそうやって働いてきたから『デザイナーは労働時間が長くて当たり前』という固定観念が、しっかりと自分の中に、身についてしまっているんでしょうね。
ただ、好きで働いているなら良いと思います。「本当に作ることが好きで好きでたまらない!」っていうなら、長時間労働でも苦にならないですよね。僕も昔はそうでした。
デザイナーをはじめた頃は『どんどん新しいものを作りたい』という気持ちも確かにあったし、若い頃にしたハードワークは大事だよなと思いますけどね…今はできません(笑)
10年もやってると、もっと違う考えが出てくるもんです。
デザイナーに残業代がついたらどうなるか
もちろん、グラフィックデザイナーやWEBデザイナーの方などは、僕より過酷な労働時間の人もたくさんいるでしょう。毎日徹夜という人もいると思います。
ただ、グラフィックデザイナーに限らず、デザイナーという職種はどんなに残業をしても残業代が出ないところが多いのではないかと思います。俗にいう『サービス残業』というやつです。
もちろん僕も残業代はでていません。
まあ、デザイナーに残業代がつくと『制作に時間のかかる、出来ないデザイナー』ほど給料が増えて、『制作に時間のかからない、出来るデザイナー』の方が給料が少なくなる、という逆転現象が起きる可能性もあるので『一概にデザイナーにも残業代を出すべきだとか、デザイナーに残業代を払うのはおかしい』という気もありません。
そもそも、デザイナーをやっていて『残業代』をもらったことが無いので、「残業代って何?」って感じです。
残業したヤツが偉いみたいな風潮
ただ、悲しいかな『残業代』が出ないわりには、『残業万歳』なのがこの業界です。僕がつとめる広告代理店の営業マンもそうですが、夜の10時になっても誰も帰らない。上司が帰らないから帰りづらい。これは、広告業界だけに限った話ではないかもしれませんが。
特に、40代ぐらいでバブル世代を経験しているような営業の上司は「この業界はみんな遅くまで働くのが当たり前」みたいな事を平気で言ってます。おまけに「デザイナーは徹夜の経験をしてこそ、真のデザイナーになれる」だとか「デザイナーは次から次へと、新しいデザインが作りたいっていう気持ちじゃないと、駄目なんだよ」みたいなこと言ってます。
僕は「アホか」と思ってます。デザイナーだって、さっさと仕事終わらせて、早く家帰って、ビール飲んで、『アメトーーク』とか見たいんだよ!といつも思います。
結局そういう風潮というか、デザイナー界の常識みたいなものを作り上げたほうが、会社としては色々と都合が良いんですよね。
時間内で終わらせる作業で、いかに収入を確保するかという事が大事になってくる
残業代払うと赤字になるとか、労基法守ってたら会社が成り立たないって、それ普通に事業に失敗してるだけだぞ。
— 京子 (@kyoko_k_) 2014, 5月 4
僕も最近ではこのツイートで言っているような意見に賛成です。デザイナーに限らず、社員にサービス残業をさせておいて「会社が儲かってないから」だの「景気がわるいから」だの言い訳をして残業代を出さないというのは、その会社のビジネスモデルからしてアウトなんだろうなと思います。
こういう会社が生き残るのは難しいかもしれません。
これからは『いかに時間内で終わらせて、利益を上げるにはどうするか』という事を社員も含めて会社単位で考えていける企業や、きちんとした経営理念を持ち、社会に対して自分たちの価値を提供し、社会に貢献していけるような企業や個人が、労働に見合った対価を獲得して、今後も成長していけるのではないかと思っています。
まとめ
今回の記事もまとまりがなくなってしまいました。本当は、この業界の残業について色々と言いたいことがあったのですが、先日ある知り合いの女の子と話したことを思い出しました。
その子は、夜も毎日遅くまで働いて、土日も休日出勤で会社に行き、どんだけブラックな会社なんだと常日頃から思っていたので、僕は思わず質問してしまいました。
「体は大丈夫?会社ブラックなんじゃないの?」って。そうしたら、その子は「全然、ブラックじゃないよ。確かに忙しいけど、自分の仕事が終われば自分の好きな事を自由にやらせてくれるし、仕事にやりがいもあるし、この会社がとっても好きなの」と言うのです。
僕は、はっとしました。「そうか、この子は自分が好きなことをやれているから、いくら残業が多くて大変そうに見えても、自分が辛いとは感じないんだ」と。
それは、自分の気の持ちようだったり、会社の理念が良かったり、いろんな要因があるのかもしれません。この業界特有の『長時間労働』。これが良いのか悪いのかは、『それぞれの働く環境』や『本人のモチベーション』、『目指すところ』によって違うんだろうな、と思う今日この頃です。
同業で働いて独立したものです。思うのですが、本人のモチベーションもあるかもしれませんが、私としては「洗脳状態」に置かれていたように感じます。独立して13年経過し、やっとあの感覚が抜けました。すべてはクライアントと代理店の売り上げのためだけなんです。やった分だけ収入になってないですよ。それが収入になっていて、もっとデザインの勉強に回したり、スポーツクラブに行ったりできることが、まともな生活と言えると思われます。
健康をきちんと考えている企業でしたら、そんな労働時間を放置する訳がありません。実際、私の周りに数人ですが鬱病を発祥しました。重圧ではなく、大きくは寝不足が関わっているように思いました。
NAODESUさん、こんにちは。
「洗脳状態」確かに、そういう状態の人もいる気がします。
やった分だけ収入にもなっていないし、寝不足が続くと、毎日ぼんやりして本当にヤル気がでません。
この業界はこれが当たり前だ、という風潮に流されてはいけないと個人的には思っています。
独立して13年。すごいですね。
僕もそれを目指して頑張ります!