グラフィックデザイナー独立奮闘記

失敗も後悔も振り返れば全てが成長。そんなグラフィックデザイナーがフリーランスになるまでのアウトプットブログ。

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グラフィックデザイナーであれば覚えておきたい、印刷物で使う紙の定番3種類

グラフィックデザイナーであれば覚えておきたい、印刷物で使う紙の定番3種類

僕はずっと広告代理店のデザイナーとして働いてきました。

代理店特有なのかはわかりませんが、最初の頃はずっとデスクワーク専門。クライアントとの打ち合せもなければ、営業からデザインについての込み入った話しをされることもなく、もちろん印刷に使う紙についてもノータッチ。

やっぱりデザインを作っている人間としては『自分が作ったデザインなんだから、紙を選ぶ段階までたずさわりたい』という思いがありました。

今では会社も移り、クライアントとの打ち合せも多くなったので、当たり前のように紙を選ぶ段階までたずさわっていますが、初めて紙の種類や厚さを選ぶ機会が訪れた時は、グラフィックデザイナーとしても、個人的にも嬉しかったし成長したような気がしたのを覚えています。

僕の場合は、それらを教えてくれる先輩もいなかったし、知識もなかったので最初の頃は苦労しました。印刷屋さんに紙の用途を教わったり、他で使われている印刷物の紙を実際に触りながら感触を確かめたり、『印刷して→紙選び失敗だったかな』みたいなことを繰り返しながら少しずつ覚えていきました。

今回は、そんな『印刷に使う紙』について、僕の経験値の範囲内で『まずは、これだけは覚えた方が良い』というものを備忘録の意味も含めてシェアします。

印刷で使う紙の種類を大きく3つに分けると

僕は印刷屋さんから「紙の種類は大きく分けて3種類ある」と教わりました。細かく分けると数えきれないほどありますが、とりあえずこの3種類を覚えておけば、なんとかなると思います。

上質紙

上質紙というのは、紙にコーティングがかかっていない普通の紙。コピー用紙を思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。

コーティングされていないので、ペンや鉛筆などで書きやすい・印鑑などを押しても乾きやすいという特徴があります。

用途としては、伝票や美容室のカウンセリングシート、ポイントカードなど、何か書き込んだり印鑑を押す必要があるものには最適です。

紙がインクを吸いやすいという特性から、実際に印刷をかけるとインクがしずむ(発色が落ちる)傾向があるので、カラーものの印刷をする場合には注意が必要です。

レーザープリンターで出力したものと、実際に刷りあがったものでは発色が随分と変わるので、イメージが違うなどトラブルの元になりやすいです。クライアントには、事前に上質紙の特性を説明して発色が変わることの了承を得たうえで印刷をかけるほうが良いでしょう。

コート紙(ツヤあり)

上質紙にコート剤をコーティングした光沢のある紙。新聞などに折り込まれている、スーパーのチラシなどを思い浮かべてください。

両面がコーディングされているので、発色が良く写真などが入った印刷物に最適です。

用途としては、チラシ、ショップカード、ポスターなど幅広く使われる紙です。普通の紙にコーティングしてある紙をコート系とひとくくりに分けるとするなら、同じコート系の紙でもたくさんの種類(アートポストなど)があります。

紙がインクをはじくので、上質紙とは反対に何かを書き込む、印鑑を押すという用途には不向きです。印鑑なども押せないことはないですが、乾くまでに時間がかかるので、押したあとに間違ってさわるとにじみます。

上質紙とは違い印刷のインクがしずまないので、レーザープリンターで出力したものと近い仕上がりで印刷もあがってきます。

マットコート紙(ツヤなし)

上質紙にマット系のコーティング処理をほどこした、ツヤなしの紙。会社概要のパンフレットなどでよく見かけます。

コーティングされているので、写真などの発色も良くコート紙ほどツヤが無いので、落ち着いた感じや高級感を出したい印刷物に最適。

用途としては、会社案内、各種パンフレット、落ち着きのあるチラシ、DM、ショップカードなど、デザインやクライアントの方向性に合わせてコート紙と使い分ける必要があります。

何かを書き込む、印鑑を押すという場合は、コート紙よりは書きやすいけど上質紙よりは書きづらい・乾きづらいという印象です。

発色なども良いので、レーザープリンターの出力とも近い仕上がりです。ただ、印刷のインクが乾きづらいので納期が短いものは印刷屋さんから嫌われます(笑)

インクを多量に使うデザイン(全ベタ)なども、裏移りの原因になるので避けたほうが無難です。

 

以上が、とりあえず覚えておくべき紙の種類を大雑把にわけたものです。慣れると、紙をさわることで何系の紙なのかが、わかるようになってきます。

本当は紙の厚さなども解説しようと思いましたが、思った以上に長くなったので、また次回。
※2015年8月1日追記:覚えておくと便利な、名刺やDMでよく使う紙の厚さについてという記事を追加しました。

まとめ

もちろん、これ以外にも紙の種類はたくさんあります。上質系のなんとか、コート系のなんとか、マット系のなんとかみたいな感じで、数えきれないほどあるので、全て覚えるのは無理だし、覚えてもあまり意味がありません。

まずは、大雑把に紙の種類は『上質系』『コート系』『マット系』がある、ということを覚えましょう。

僕がいつも紙を選ぶ時に考えることは、まずは使用用途やデザインによって、上質系かコート系がいいのか?を考えます。そして、コート系ならツヤがあった方がいいのか?ツヤがない方がいいのか?を考えて、紙の種類を絞っていきます。

最後に『実際の紙見本をクライアントに確認してもらいながら、細かい紙の種類を選ぶ』という方法を行っています。

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