
チラシなどの印刷物の場合、写真の解像度は一般的に350dpiぐらいあれば問題ないと言われています。これはオフセット印刷の線数が175線なので、175×2倍=350というところからきています。線数というのは印刷の版を作るときの、きめ細やかさみたいなもの。参考
この一般的な印刷物の解像度350dpiは、人が手にとって至近距離で見るのに適した解像度になっています。
出典 350dpi必要?看板制作の推奨解像度とは | サインモールBlog
まあ、実際は200〜250dpiぐらいでも十分なクオリティで印刷されると個人的には思っていまが。
これが、ポスターや看板で使う写真の場合は、大きさや見る距離など様々が事が想定されるので、悩む事も多々あるかと思います。
ポスターや看板に使う写真の解像度について
一般的に看板やポスターの場合は、チラシほど高い解像度は必要ありません。
看板の種類別、推奨画像解像度
A型看板 200~250dpi バナースタンド看板 150~200dpi のぼり旗 100dpi程度 塔屋看板、野立て看板 100~150dpi程度
(距離にもよる)看板製作における解像度の考え方
商用印刷物の標準的な推奨解像度が350dpiなのに対し、A型看板の推奨解像度を200~250dpiとしたのは、A型看板は書物のように手元で見るものではなく、少し離れて見られることを想定しているからです。
出典 350dpi必要?看板制作の推奨解像度とは | サインモールBlog
一般的にはこのように言われています。
要は看板もポスターも、どのような距離で見るかによって必要な解像度が変わってくるという事です。
もちろん、解像度が高いにこしたことはないですが、解像度が高ければデータも重たくなるし、看板やポスターなどは写真を大きく使うので、低い解像度の場合は当然、通常の印刷物と比べ「ジャギー」が目立ってきます。
「この写真使いたいけど、解像度が不安だ」「クライアントから提供された写真の解像度が低い」といったことで、泣く泣く写真の使用をあきらめてしまった経験が、みなさんも一度や二度はあると思います。
写真の解像度で迷った時に、僕が実行していること
僕が写真の解像度で迷った場合(迷わなくても毎回確認するのですが…)は、そのデザインで気になる写真の一部を原寸でプリントする。そして、その看板やポスターを実際に掲出したときに、人が見るであろう距離で見てみるという確認作業をしています。
実際はこんな感じ↓

この方法で自分の目で確認して、「行ける」と思えば多少画像が荒くてもそのまま使います。たとえ100dpi以下でも掲出距離によっては使います。
数字よりも、実際の出力が一番信用できる
看板やポスターは、チラシのように手にとって見る物ではないので、たとえ至近距離で見た時にジャギーが気になったとしても、実寸の出力を実距離で貼って自分の目で確認すると意外に大丈夫なもんです。(やればわかります)
もちろん、自分で確認した時点でジャギーが気になる場合は使用をあきらめますが、自分でも判断が微妙な時は、クライアントにこの出力を持って行き、実際の掲出距離で見てもらい、使うか使わないかの判断をクライアントにゆだねるようにしています。
僕の経験では、多少画像が荒くて不安な場合でも、クライアントに出力を確認してもらいNGが出たこともなければ、僕が出力を確認して「行ける」と判断して進めた場合でも、クレームが来たことはありません。
それぐらい、デザイナーの目は一般の人よりシビアなので、デザイナーが見てOKの範囲であれば一般の人が見ても気にならないということだと思います。
自分の目を信じましょう!
まとめ
以前の「意外とやっていないデザイナーが多い、看板のデザインで大切なこと」という記事でも書きましたが、結局はパソコンの画面だけで完結するのではなく、実物を意識してデザインをしていくということで見えてくることが沢山あります。
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