DTPの現場では、基本的にパソコンでの作業がメインになります。デザイナーはどうしてもパソコンの画面とにらめっこをする時間が長くなりますが、忘れてはいけないのがデザインの最終形態を常に意識するということ。そのデザインが最終的に『印刷物になるのか』『看板になるのか』などによって、確認の仕方も変わってきます。
例えば、印刷物の場合
最終形態が紙(チラシや名刺など)の場合は、途中経過や最終確認を必ずプリンターで原寸出力して確認しましょう。たまに『パソコンの画面で確認したからOK』『出力代がもったいないから画面で見ればOK』みたいな人もいますが、これはNGです。
パソコンの画面で見ていたものと、実際に紙に出力したものでは、印象や色味が違ってきます。最終的な形が紙になるのであれば、確認も必ず紙で行うという習慣をつけてしまいましょう。もちろん、予算があるのであれば最終的に本紙校正を出して印刷に進むのが最善の方法です。
また、見た目の印象もさることながら、文字の抜けなども紙で確認した方が確実です。画面で文字校正なんていうのは、絶対に避けましょう。
紙とは逆に、例えばホームページのデザインであれば、最終形態が『画面』になるので、確認もパソコンの画面でするのが正解です。
例えば、看板やポスターの場合
A1やA2サイズのデザインであれば、A3でプリントしたものを貼り合わせて原寸で確認ができます。可能であればクライアントにも、原寸で確認してもらうのがベストです。たとえ貼り合わせでも、縮小で見せるよりは原寸で見せた方がイメージがつかみやすくなります。
大きいサイズの看板だと、原寸で出力して確認というのは難しいですね。こういう場合は、看板の設置箇所のサイズ(一部分でOK)と正面からの写真をとり、その写真にイラレなどで実寸のデザイン比率になるように合成します。
正面から撮影した写真であれば、それほど縮尺に誤差も生じないので、写真に映り込んでいる一辺のサイズを測っておけば、イラレ上で縮小の看板設置想像図を作る事ができます。
この方法で校正していけば、実際に看板を設置したあとも「イメージが違った」という事が少なくなります。
※2015年6月21日追記 意外とやっていないデザイナーが多い、看板のデザインで大切なことという記事で上記の具体的な方法を解説しています。
まとめ
この他にもTシャツのデザインであれば、自分が着ているTシャツに原寸で出力紙を貼付けてみる。ノベルティのデザインなら、実際のノベルティに原寸の出力紙を貼ってみて実際に使ってみる、のように色々と方法はあります。
大切なのは、パソコンの画面だけで完結せずに、頭と体を使って実際のカタチに近い状態で確認する習慣をつけるという事です。
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