グラフィックデザイナー独立奮闘記

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0円と無料。意味は同じだけど使い方間違えると大変なことになるよ、というお話

0円と無料。意味は同じだけど使い方間違えると大変なことになるよ、というお話

先日、僕が住んでいる分譲マンションのポストに一枚のチラシが入っていました。それを見て、色々と思うことがあったので今回はそのお話。

それでは。

色々と思うことがあったチラシ

そのチラシというのがこれ↓

一見ふつうの不動産会社のチラシ。デザイン的には伝えたい内容をシンプルに表現していて、ある意味王道の形でしょう。

よくよく見ると文字詰めが甘かったりするので、グラフィックデザイナーに発注したチラシではなく、こういうのが得意な社員が社内で作っているのかもしれません。(デザイナーが作っていたら、ごめんないさいm(_ _)m)

参考記事:初心者でも、これだけやれば見え方が200%変わってくるIllustrator活用術[文字詰めとカーニング]

査定0円はまずいでしょ。

まあ、それはそれでいいんだけど、この会社がこのチラシで打ち出したい内容は「あなたが住んでいるマンション、売るつもりなら当社におまかせください。損はさせませんよ!」ってことだと思います。ただ、僕がこのチラシを見てまず思ったのは「査定0円!?俺の家の評価額が0円とは、なんて失礼な会社だ!こんな会社には頼まない!」って感じる人がいるだろうな〜ということ。

まあ、わかるんですよ。この会社のストロングポイントである「査定にかかる手数料や相談料は無料なので、安心してくださいね〜」っていうのを前面に打ち出したかったってことは。でもね、こんなに部屋の写真のど真ん中に「査定0円!」って大きく入れられると、このチラシを見た住人の第一印象はきっと『自分の家の評価が0円』か、いったい何が0円なのかわからない状態。

だって「売ってください」って言ってるんだから。(ここで、もう一回問題のチラシを出しておきます)

常にエンドユーザーになったつもりで考える

お客さんが何かを買うというチラシであれば、0円はとてもお得なイメージをいだくので正解。ただ、このチラシのように、お客さんに何かを売って欲しいという場合、0円はマイナスのイメージ。このチラシを見たお客さんは『タダで何かを提供しなくてはいけない』、損をした気持ちになってしまうからです。

せめて、『査定0円!』ではなく『査定は無料!』だとか、査定とは全く関係のないストロングポイントを打ち出すべきでしょう。

このブログでは何度も言ってることですが、グラフィックデザイナーは実際にレイアウトや色を考える以前に、こういった常識というか、これを受け取った相手がどう感じるかということを、まずは考える必要があります。

発注者とエンドユーザーは全く別のものとして考え、どちらもおろそかにしてはいけない。逆にどちらのことも真剣に考えて、商品のことも真剣に考えれば、必ず良い広告が作れると思っています。

参考記事:リピートされるデザイナーになるために、僕がやっている簡単なこと

まとめ

このチラシが、経費削減のために社内で作っているのだとしたら、やはりお金をかけてでもプロに頼むべきだなと思いますね。少なくとも僕ならこんなミスはしないです。

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